頬が落ちそうなレトルトのカレーを食べた後
果汁１０％のジュースを飲み干して夕暮れの街へ出た
道に沿って並ぶ美しい造花を眺めながら
信号待ちの間
合成音で流れる小鳥達のさえずりを聞いていた
人工芝で整備された公園にたどりつくと
せいいっぱい伸びをして光化学スモッグを呑み込んだ
ベンチには哺乳器でミルクを与える母親と
その横でビタミン剤を噛み砕く父親がいて
僕はなんだか君のマニキュアの色ばかり思い出していた
公園を出て共同墓地の横を抜けると
夜になった街はネオンライトが眩しくてまだ昼みたいだった
家に着くとコップ１杯のミネラルウォーターで口をゆすいで
疲れた足に筋肉疲労の薬を塗りながら溜め息をついた
窓を開けると夜空の闇に
人工衛星だけが星のように輝いたから
僕は少しだけほっとして
いつものように君の写真に口づけた後
硬いベッドにぬくもりを感じながら眠りに落ちた
