ひとみしり 初めて会うひとにも 気軽に話しかけて すぐ仲良くなれてしまう そんなあいつの 壁のなさがうらやましい 初めて会うひとには ひどくかしこまって つい距離をとってしまう そんなわたしの 壁つくりがうらめしい たぶんわたしは ひとを信じていないのだろう それでつい 警戒して　バリアを張って じぶんを守っている たぶんあいつは ひとを信じているのだろう それですぐ 気さくに　あけすけに じぶんを開いている ひとなつこいあいつに 憧れている ひとみしりの じぶんがいる いや　ちがう ひとみしりなんて 都合のいい言葉を 言い訳にして わたしはただ 他人と向き合うことから 逃げてきただけだ 初めて会うひとにも 話しかけてみよう ひとを信じられたら 壁がなくなって きっと世界は広がってゆく 初めて会うそのひとも 実はひとみしりで 話しかけられることを 待っているかもしれない だから はじめまして まずはその一言を こころ差し出すように 告げることから