星をめぐる二十四行



もしも夢に打ち砕かれたのなら

荷物を置き　空を見上げてごらん

星達は聞かせてくれる

宇宙の民間伝承の中からとっておきの話を

それはまだきみが聞いたこともない

胸躍らせる不思議な伝説だ

まるで湖底に何億年も眠っていたような

古人がたどりついた幾つかの答え


もしも己の小ささに打ちのめされたのなら

黙って夜空を仰いでごらん

星が優しく叱ってくれる

またたきの向こうに広がる深い空

星はそれにさえ動じたりせず

ただ燃えることのみ誠実に行うのだ

そうして己の本分を全うしながら

さりげなく我々に啓示をくれる


もしもすべてを失って死に焦がれるなら

一度力を抜いて星を見てごらん

空気も風もない闇にいても

けなげに熱くまたたいている

そしてそんな星が

まだきみのこころにもあることを知るだろう

きみの灯はまだ消えていない

朝になるための夜が来ただけだ