不安



少女の憂鬱は凍てついた夜の風の中で慟哭する

少年の絶望は腐りきった夜の中で乱舞する


善心の大群を打ち砕く愚策の参列は

濃い霧に包まれて翳りゆく熱涙を嘲笑する


嘘の実体と噂の失態が交差するその一点において

俺たちは不安定な未来に誘惑の視線を投げかける


悪弊の奴隷として心を売った人々よ

悪風の使者として世にはびこる人々よ


絶壁に立たされたこの世界に真理などないが

渇ききった喉は潤しても

自由に満ちた瞳を潤ませてはならぬのだ


俺たちは正義を胸に掲げ　夢をまとってひとつになる

今こそ不幸の底をはいつくばっていることに

気づかなければ・・・・・・


この先　世界がどんな変貌を遂げたとしても

俺は矛盾に包囲された街の片隅で信じよう


孤独は永遠に慣れることなく

愛は永遠に滅びることなく