荒野に咲く赤い花



さみしくて　さみしくて

ひな鳥のようにぼくらは啼くよ

誰かにわかってほしいって

そんなの甘えと知っていて


くるしくて　くるしくて

さみだれのようにぼくらは泣くよ

どこか遠くに逃げたいって

そんなのずるいと知っていて


生きてる意味がわからなくなるとき

自分の価値をわすれるとき

すべてを投げてしまいたくなる

思い通りにすすまないとき

大切なものを失いそうなとき

世の中のせいにしてしまいたくなる


でもそれは何かちがう

きっと何かがちがうんだ

どうちがうかわからないことが

とってもくやしいのだけれど


せつなくて　せつなくて

ハマグリのように心を閉ざすよ

誰にもわかるものかって

そんなの諦めと知っていて


もどかしくて　つらくって

捨て子のようにぼくらはひとり

想う人から愛されたいって

そんなの夢だと知っていて


自分がだれだかわからなくなるとき

なすべき術が見えなくなるとき

戸惑いながら　迷いながら

それでもぼくらは歩いてゆくんだ

不器用な己に嫌気がさすとき

勇気のなさに情けなくなるとき

恐れながら　間違いながら

それでもぼくらは進んでゆく


荒野に咲く花になりたい

みじめな孤独を誰かが笑っても

約束された未来がなくても


何かちがうと感じる胸は

悩めるぼくらの正しさだ

だからそうやってここまで来たんだよって

君よ　胸を張って

失った痛みもすべて抱え

ここにおいで


荒野の赤い花となろう

飛べなくてもいいさ　涙をふいて

ぼくら真紅の花となろう