キャンパスの芝生 久しぶりだね こんな風にふたり キャンパスの芝生に並んで 寝転んでみるのは あの頃はよく パンキョーの講義をさぼって こうして雲を 眺めてたっけ 空はあの頃と変わらないけど 雲はまばたきする間にも 形を変えてゆくね 変わらない土台のうえに 変わってゆくものがかさなって それをながめるぼくらは 一度も空に飽きたことはない もうあの頃のように若くないけれど ぼくらもあの空のようで あれたらいいね 変わることのない思いのうえに 変わりゆく暮らしがかさなって それをながめるぼくらは いつまでも互いに飽きたりしない ごめんな 久しぶりのデートが 海でも夜景でもなく 母校の中庭なんかで あの日ここで 雲をながめるきみを見て ぼくはこの宿命に 落ちたんだ 忍び込んではみたものの どう見ても浮いてるよな ぼくら学生じゃないって ぜったいバレてるぜ