一瞬にして過ぎてゆく この短い人生の中で
いったいどれだけのことが分かるのだろう
俺の体が焼かれて この土に埋まるまでに
いったいどれだけのものをつかめるのだろう
そう何度も自分に投げかけ始めていたのは
まだ新しい教科書を手にしたばかりの１３の春
何もかもを見ない振りして
行儀よく振る舞うことが幸せじゃないと
年をとるたび情熱が冷めてゆくなんて
夢から逃げまどう大人達の言い訳だと
そう何度も投げかけているうちに
何一つ想いは変わらぬまま 体だけ成長した
今も矛盾に縛られたままの暮らしの中
順風満帆な日々など欲しくはない
人生とは課せられた任務を遂げることなのか
成熟とは心をなくしてゆくことなのか
腐った街に迎合するくらいなら
俺はこの命などくれてやる
見えるかい 俺たちを囲う偽りの籠
楽しいかもしれない 落ち着けるかもしれない
平和かもしれない 安心かもしれない
でもその上にある空の色を知りたくはないかい
立ち止まればすぐ手に入る限界という名の幸福は
いずれ飽きが来ることを 俺は知っているから
意味もなく流されてゆけばどこかにたどり着くのか
規則的に空回りしていれば真実は近づいてくるのか
分からない 何もかも分からない
何故こんなところでくたばっているのか
心燃やせるもの何一つ見つからない
退屈さが胸を刺す日々の中で
なあ 今日も人の冷たさに触れて痛かったよ
俺が今日見た あの残酷な人間模様を
子供達の澄んだ瞳に映したくないよ
日常的に起こる惨事にいちいち傷ついているのは
俺が若すぎるからなのかい
それなら痛ましい光景に慣れてしまえば
もう感じなくなってしまうのだろうか
へたに感じないほうが上手く生きてゆけるのかい
おとなしくしていれば笑顔で死ねるのかい
ただ俺はむきになってその存在を守れるほど
心の底から愛せるものを見つけたいだけなんだ
それを見つけ出すにはあまりに短い人生だけれど
そのために俺は生まれてきたのだから
つぶれたくない 打ちのめされたくない 真実が欲しい
親孝行もしないうちから灰にはなりたくない
目を覚ませ 俺の中にくすぶる休火山よ
目を覚ませ 俺の中に宿る眠れる獅子よ
瞬きする間も惜しいほど
悲劇さえその胸で受け止めてみせよ
俺は 安全で確かなレールの上を
誰かがご丁寧にひいてくれたレールの上を
死んだ魚のような目をして歩いてゆくのはごめんだ
俺にはどうしても見つけ出したいものがある
遠回りになっても いくら時間がかかっても
たとえレールの先に幸せが約束されているとしても
俺には探してるものがある
