誓い



人と人が集えばそこは

優越感と劣等感の因縁の対決

ひたすら自己満足に努める自己過信の人類

向上心は薄汚れた欲望の道具に成り下がった


たてまえを奥に潜めて肩を並べてはいるが

いつ我が身を振り返るかも知れぬ脆い絆

心から分かり合えるという事に恐れてばかりいるのは

その心に黒斑病を患う野望を抱えているからか


ひとつのことに平等で無差別な情熱を向けられない

誰かの骨が落ちても

頭をよぎる利益に縛られて拾ってやれない

誰のせいでもない

ここまでくると　もう誰のせいでもない

人が生まれ持った　このたちの悪い本能

乗り越えるか毒されるかの勝負だ


やり場のない哀しみを抱えて街へ出ると

孫の手を優しく引いている老人の笑顔とか

照れながら寄り添えずに歩いている無口な恋人とか

薄汚い野良犬の頭を撫でながら話しかけている少年とか

そういうものすべてを尊敬しながら

まだ修復余地のありそうな世界に胸を撫で下ろされる


世の中にはびこる悪を地獄に突き落とすこと

何が大切で何を尊ぶべきかということ

それらを嘆きや悲哀の詩に託すしかできない男がいる

ならば　今　ここで誓おう


たとえ不実な世界にこの身を撃ち抜かれようとも

間違ったことに対する激しい怒りや

未来を夢見ている子供達への愛情や

あなたを愛してやまないこの心を

決して放さず生きてゆくと