沈黙のカフエ



日曜午後のカフエにて

シュリムプ・サンドを食べていると

隣で若い男がノウトパソカムを広げて

なにやらクカクカと打ち始める


しばらくするとルックザックをしょった大男が入ってきて

トレイにラアジサイズのアイスカァフィを乗せ

所狭しといった風情で近づいてくると

パソカム男のもうひとつ隣の席にすわっ


あっ

大男のアイスカァフィかっこラアジサイズかっことじが倒れ

パアソナルカムピウタアの上に！


加害者は沈黙を保ったまフリイズし

被害者も沈黙を保ったままフリイズし

身じろぎひとつせず

そのまま春が来るまで凍りつづけるかと思った矢先


コントロオルアルトデリイトしたらしい大男が

再起動して店員の元におもむき

新品のアイスカァフィかっこ無料かっことじをもらって

再び現場に戻ってくる


放火犯は何食わぬ顔で現場を見に来ると言うが

洪水犯も何食わぬ顔で現場に戻ってくる

やがて店員が雑巾とモップを持ってきて

氾濫のあとしまつを始める


すると大男　カァフィは一滴も拭かないのに

額の大汗だけは拭きながら

なぜかケイタイのメイルを打ちはじめる

処理には目もくれず黙々と打ちつづける


件名：ヘルプミイ

宛先：神様＠docomo.ne.jp　



わき目もふらずに液晶を見つめる大男

無言で洪水処理をつづけるカフエの店員

まだフリイズしているパソカム男

知らんぷりでシュリムプ食ってる俺


日曜午後のカフエにて