こんなに長く報われぬ恋は
もう二度とすることもないだろうと
主観的客観性で見つめる彼は
深く息を吸った
おろしたてのスカートがはためく
肩の力を抜いて嬉しがる
鈍感的純粋性で駆け寄る彼女は
彼の友情を称えた
あの人のお嫁さんになりたいと照れる彼女の
瞳さえ見られず 彼は胸が苦しくなる
身近すぎて分かりすぎるふたりは
互い 別々の溜め息をついた
「その夜 一番明るい星に祈れば
あなたの願いは叶うのよ」
ある日 彼女がそう言うので
彼はその晩 夜空に祈った
ああ この僕の魂など
無条件で差し上げますから
どうか あの子の切なる想いを
いつか 叶えてあげて下さい
そして 辛すぎる恋ですけれど
彼女に出会える人生ならば
生まれ変わり 同じ運命をたどろうとも
僕は また 僕に生まれたい
