地下鉄を降りて階段を駆け上がり
冷たい風が吹きすさぶ通りに身をうずめていると
なんだか街の嘆声に駆り立てられているみたいだ
時の流れは能書きの表面で踊る取り繕いの笑顔
会話は自愛の相乗効果によるドラッグのカクテル
この雑踏に発煙筒を投げ込んだとしても
きっと半分の人は見向きもしないだろうな
人ごみに埋もれている時代の悲報はノイズで聞こえない
摩天楼の溜め息にさえ誰もかれもがが無関心なんだ
分かってくれ･･････
何度も喉元に突き上げる言葉をこらえて青信号を待つ
ただ暖色にまとわれた心に触れていたいだけなのに
すれ違いに独りが胸をつく時はなおさら
裏のない愛の姿を信じていたいだけなのに
分かってくれ･･････
哀しみの骨頂で泣き叫ぶ者は はみだしてしまう
俺はここにいるのか
白だと寄せれば 黒だと返す
俺はここにいるのか
深い悲しみに胸が張り裂けそうだ
誰も分かってくれない 誰も分かってくれない
誰も誰かのことなど分かろうとしていない
もし君が傷ついているならば
それは傷ついている人にしか分からないから･･････
ひとりぼっちだ もう自分さえも分からない
俺はここにいるのか
自分の存在の有無さえも
手で触れられるものですら不確かになってゆく
愛が欲しい 誰かと分かり合いたい
誰かの愛に溺れていなければ何も確かめられない
俺はここにいるのか 教えてくれ
もう分からない 分からない･･････
もはやここに自分がいるのかさえ
分かることができない
どうしようもないくらい誰かに
抱きしめられていなければ
