十字架 背負ってるもんがあるもんな おまえの場合　とくにさ 逃れようのない境遇ってゆうか 宿命ってゆうのかな おれみたいなもんが がんばれとか　楽になれなんて たやすく口にできないほどの いろいろ聞いて知ってるだけに よけい言葉が見つからないんだ 運命ハ自分デ切リ開ケ　なんて あっけらかんと言い放つ輩は そんな立場に立たされたことない 恵まれた坊っちゃん嬢ちゃんか 能天気な金持ちさ 尊敬してるんだよ 自分が盾にならなけりゃって 一身にしょいこんでるおまえをさ 幸せにあぐらかいてる人にかぎって 愚痴ばかりこぼすってのに 血を吐いても弱音吐かないおまえには ぎりぎりのところからにじみ出す 光みたいなもん　感じんだ おまえほどじゃないにしてもさ 人は多かれ少なかれ　だれも 十字架しょってんのかもしんないな 後ろ手を伸ばしても届かない 背中にこびりついたもん 小さいのならおれにだって ひとつやふたつあるもの あんまし頭よくないから うまく言えないんだけどさ かがんでうつむいてると　十字も 傾いて×印になっちゃうだろ？ でもしゃんと背を伸ばしたら ＋印に似てないか？ だから胸はって歩いてこうよ そしたらもう背負ってんのは ハリツケの宿命なんかじゃない 十字架が重ければ重いほど 大きければ大きいほど そんだけ　世界へ堂々と 巨大なプラスを示せんのさ