かくれんぼ



昼の光のただしさを浴びれば

焼けただれてしまうから

ぼくらは夜をえらびあった

闇のどさくさにまぎれ

くらがりで身をよせあった


夜行性のこいごころは

明るみになれば罪だから

ぼくらは息をひそめあった

愉しい音色を奏でぬように

鼓動さえも押し殺して


もういいかい と

いくども神はたずねつづけ

まあだだよ と

いくどもふたりは念じつづけ

やがてぼくらは知る

この世に完璧な隠れ家など

ないということを


陽のあたるところでは

まだ見たことがないけれど

あなたのひとみはまぶしいね

指先でふれる

脈うつあなたの血は

きれいだね


そのうち神もぼくらを忘れて

巣へと帰ってゆくだろう

隠れとおすことができなくても

見捨てられることならできる

だからもうすこしのあいだ

そばにいて


まあだだよ とぼくら

唱えつづけて生きよう

もういいや と神が

あきらめるまで