まりも ガラス瓶の水底に 沈むひとつのまりも 太陽のめぐみと 水なしでは生きられないという ぼくら人間とおなじだね ちいさなひとつのまりも おおきくなりすぎると 自らをもてあまし ばらばらに崩れてしまうという ぼくらの気持ちとおなじだね まあるいひとつのまりも ひとつに見えてもほんとうは いくつもの細い藻が 集まってできているという ぼくらの住む星とおなじだね この地球も こころぼそい生き物たちが ちいさな気持ちを寄せ合いながら まあるい形を成している 太陽と水に支えられて まりもよ きらきらとした水の底で 泡を吐くみどりの星よ どこへ行けなくとも きみはしずかに息をして つよく生きているんだね ぼくらも 地球も 見習わなくちゃな