新星座



なぜ あなたは会うたびに

綺麗になってゆくのだろう

夜更けゆくほど白さ増す

月見草の花弁のように


なぜ あなたは帰りぎわ

悲しい目をしたのだろう

擦れた大人の振りをして

胸の少女を捨てられず


眠れぬ夜 窓を開け

ぼくはひとり空を見る

またたく星々のすき間に覗く

吸い込まれそうな漆黒に

いつだって どうしたって

鍵を探してしまうんだ


いま あなたは男の胸

その身をあずけているだろう

羽休めの止まり木で

眠る白鷺のように


なぜ あなたは会うたびに

ぼくを責めたてるのだろう

根雪のような顔をして

兎のような声をして


夜風を頬に浴びながら

ぼくは宇宙と対峙する

またたく星々のあいだを結ぶ

見えない線を指でなぞり

まだ名付けられていない

新たな星座をこしらえて